京都の玉突場

上七軒の近くにあってずっと気になっていたもの。

写真では分からないが正面の左右に入り口があって、真ん中にはしぶーい文字の「玉」、そして上の看板(屋号)にあたる部分には「BILLIARD ローテーション」の文字がすこし消えそうになりながら残っている。

京都の花街<上七軒>という場所もあって娯楽施設の玉突場(ビリヤード場)のようである。
(現在、営業しているようにはみえない)

建物のつくりや文字をみても当時の人々の射幸心がそそられるような面影を今にも残しているなかなか貴重な建物ではないだろうか。


玉突場(ビリヤード場)の来歴をたどってみると、1948(昭和23)年に施行された「風俗営業取締法」の規制対象とされていた。その理由としては①賭博行為につながりやすいということ、②女性従業員と客との関係を監視する必要があること、などが挙げられたようだ。

しかし、結論を先に明かすと、1955(昭和30)年の「風俗営業取締法」の改正では玉突場(ビリヤード場)が対象から除外されたのである。

これらの経緯は省略するが、端的に言ってしまうと、<風俗営業>から<健全なスポーツ>として認められるように様々な運動や業界関係者の活動があったためである。


京都の<遊技場>なる場所をめぐってみるのもおもしろいかもしれない。

(しかし、「ローテーション」とはいったいどういう意味なんだろうか?

○参考文献
永井良和風俗営業取締り』、講談社、2002年。