「モータープール」文化
ひさびさの更新。
(決意表明も込めての更新。笑)
文化というものは局地的に発生する。
ゆえに文化「圏」というスケールが発生する。
柳田國男が提唱した方言周圏論も基本的には同心円状にその分布がみてとることができ、「圏」をうみだしている一例であろう。
「モータープール」も同じような文脈でよむことが可能なのか??
(わたしは生まれも育ちも大阪なので)
(それにしても大阪人らしくない、という話はおいといて)
まちなかで「○○モータープール」という看板を見るつけるとすぐさま「駐車場」と認識してしまう。
実は、これ、ローカルな現象だということをついさきほどまで知りませんでした。
しかも、関西圏でよく見られる表現の仕方であって、関東などでは見ないということらしいのです。
おもしろいことに、ぐーぐるまっぷで東京都心に地図を合わせそこで「モータープール」と検索してみると星のように無数のポイントが出てくるのにその名前は「○○パーク」、「パーク○○」、「コインパーキング」、「○○駐車場」、「タイムズ」などなどのような結果が見事にでてきます。
では、この「モータープール」が少なくとも関東では駐車場という意味で使われていないことがわかったところで、
モータープールとはなんぞや?
ということになります。
そこで、適当に調べてみますと
大阪府を中心とする関西一円では、民間駐車場の事を「モータープール」と呼ぶ。元々はアメリカ軍の車両部隊や官庁の公用車の待機所または部隊自体の事で、原語の「motor pool」に駐車場の意味はない。現在でも米軍施設や自衛隊では用いられており、厳密に言えば日本各地に存在するが、民間駐車場の呼び名としては関西でしか用いられない。
Wikipediaより
【読み】 もーたーぷーる
【標準語訳】 駐車場の事
【使用例】 月極モータープール 空きあり
【解説文】 「駐車場」の関西独自の呼び方。関東ではほとんど通じない
みんなで作る!大阪弁辞典より
ということらしいのです。
つまり、①関西圏でしか使われないらしくて、②英語のニュアンスとは少し異なる和製英語だということ。
しかし、なぜ関西で英語と異なる意味で「モータープール」という言葉が駐車場に置き換えられてきた理由も時代も不明。
わたしの解釈では、モーター(モーターカー=車)のプール(溜まり場)っていうあまりに単純な解釈なんですが。笑
さらに、おもしろいことはこの「モータープール」文化を踏襲したであろうこんな言葉が京都にはあるということ。
(写真を参考してくだされ)
某HPを参照する限り、この建物は40年ほど前に立てられているというので4,50年前には「モータープール」がしっかりと定着していたということも想像できる。
ローカリティな文化が用途を異にして、しかしある一定のルールを保ちながら使われていく様には興味深いものがありす。
一度、写真のお店にお買い物にいってみたいなあ。